WALTZ FOR DEBBY
エムズシステムの三浦さんもおすすめされていて、私も演奏会ではこれをかけます。
初めて聴いた当時からジャズクラブの雰囲気がとても伝わってきて、先輩のピアニストに教わったエヴァンスのハーモニクスの素晴らしさ、3人のインタープレイなど,なんども聴いてきました。
あの夜がどれだけ奇跡的な場だったかということのエピソードとして、少し不幸な事実ですが、あの10日後にエヴァンスが生涯を通じ最も信頼していたであろうベーシスト、スコット・ラファロが交通事故で亡くなっている事もお伝えしたいです。つまりあのビレッジバンガードの録音は彼のプレイの最後の録音です。
スコットの出現でエヴァンスのトリオは素晴らしいインタープレイを実現できました。まだ25歳代のベーシストだった彼は短いあいだにいくつかのレコーディングを残しなくなりました。これからというタイミングでした。
音楽が生まれた奇跡の瞬間は多くの偶然があって始めてなりたちます。この夜もつまりはそういう夜のひとつでした。
その後エヴァンスは長い傷心の日々を過ごし、しばらくトリオの活動は再開しませんでした。スコットのようにエヴァンスに絡むベーシストはもういなかったのです。
この演奏のドラムのブラッシュの音は波動スピーカーで聴くと凄い。スネアのヘッドをこする音なのですがちゃんとスネアの鳴りが聞こえます。僕もドラムを演奏するのですが、この色気には参ります。その他、ピアノの美しさ、ベースの抑揚、客の声、グラスのぶつかる音、気配・・。
バイブレーションの伝わるエムズシステムの素晴らしさ、お試しください。
Posted: 5月30日, 2008 under ミュージックメモリー.